「血ぃ!!?」

マリはパニックになり、あたりをグルグルと見回す。

探し物は…『血』

辺りに落ちているわけがない。

「い、や…お前には…関係、ないこと、だ。すまな、い…」

ディオはそう言いながら、マリの体から自分の体を離す。

「ディオさっ…」

その時だった。

『マリア…僕を助けて。僕と契約して…マリアは…僕のだよ?』

タスケテ
タスケテ
ボクヲ
タスケテ

ボクト
ケイヤクヲ
シテ

ボクハ
ボクハ
キミジャナキャ
ダメナンダ…


ダレカの声が…マリの頭の中に響いた。そしてマリは

「わ、私の血あげますっ!!」

ディオに向かって、叫んでいた。

「なっ…!」

突然叫んだマリにディオは動揺する。

「私の血でよければ、あげます」

だが、動揺するディオをよそに、マリは自分の腕をディオの方へと差し出した。

ディオはじっとその様子を見て

「無理、だっ」

首を横に振った。

「やっ、やっぱり、美女の血とかじゃなきゃ、だめ…ですよねっ!」

マリはアハハと笑いながらも、深刻そうにディオを見つめる。

ぜぇぜぇと息を見出し、今にも倒れそうな彼を。

死人のように青白い顔の彼を。