ホールへ入ると先程までは無かった風船が天井高く無数に浮かんでいるのに気付き、警官達が声を上げた。

 「風船……何だこれは……」

 警官達には、天井高く浮かんでいる為画鋲も模様の様にしか見えていない。

 屋敷の中へと入った10名の警官達は吸い寄せられるかの様にホール中央へと歩いて行く。

 そして皆が中央付近に差し掛かった時、警官の一人が斉藤の仕掛けた罠に掛かった。

 警官は、右足に何か軽い負荷が掛かったのに気付き足元を確かめる様に見詰める。