斉藤は、日が暮れ屋敷内を捜索する警察達が引き上げ静寂が訪れた頃、秘密の部屋の片隅に居た。

 ピッ…………

 そして、斉藤がリモコンのスイッチを押すのと同時に眼の前の壁が動き出した。

 その頃、静まり返った屋敷の書庫では本棚が静かに動き、その横にポッカリと開いた入口と人影を現せた。

 そして口元に不敵な笑みを浮かべ、薄暗い書庫へゆっくりと入って来る斉藤の顔が安全灯の光りに照らされて不気味に浮かび上がる。

 〈クククッ……さて、お楽しみを始めようか……クククッ〉