とある山中で夜景を眺める女性がいた。

 自分で探し見付けた取って置きの場所でネオン煌めく町並みを眺め、夜風に吹かれながら物思いに耽る。

 「今度あの人を此処に連れてこようかしら……ウフフッ」

 そう言って幸せそうに呟く。

 その後に己の命を狙わんとする者が居るとも知らずに……。

 〈ククククッ……イヒヒヒヒッ〉

 不気味に笑い、木陰から何人もの血を吸ったコンバットナイフをベロリと舐め、狂気に満ちた眼で女を睨み付ける。