馬に乗り、野犬を連れ森林を歩き回るアルテミスの眼に遂に獲物が映り込んだ。

 汚れたグラスグリーンのシャツに白いスカート、腰近くまで延びた黒髪……。

 それは山田麗子だった。

 麗子はアルテミスの存在に気付かず、びくびくとしながら前方を歩くデュラハンを陰から見ている。

 そして、現れては消え現れては消えしながら歩いていたデュラハンが突然麗子の方へ振り向き立ち止まった。

 麗子は見付かったと思たのかビクリとして木陰に縮こまって
いる様だ。

 しかし何の気配も感じられないと思ったのか、麗子がそっと木陰から覗き見る様な行動をとっている。

 そして、デュラハンが居なく為っているのを見て、ホッとして歩き出そうとしている麗子の姿を見て、アルテミスはニヤニヤと笑っていた。