美由紀は、カーテンを外してそれを裂き、繋ぎ合わせロープの様にて片端を家具に結び付けてもう片方を窓から垂らした。

 そして、それをつたい何とか外へ逃げ出し、別の屋敷へと逃げ込み難を逃れた。


 その頃矢野光一は、街外れに有る聖堂に身を隠していた。

 聖堂と言う言い方は的確ではないかも知れない。

 通路には、邪神像や鬼神像、女神像等が入り交じって並び、
薄気味悪い雰囲気を醸し出している。

 その通路を奥へ奥へと入って行くと、その先に美しい彫刻の施された大きな石の扉が見えて来た。

 この扉はいったい……。

 この扉の向こうには何が有るのだろうか?

 光一がそう思案に暮れている時、1の刻を告げる鐘が鳴り響いた。

 ゴーーンゴーーンゴーーン……