口をパカリと開け、半開きの虚ろな右眼でデュラハンをぼーっと見詰める竜二……。

 左眼は変色し、こめかみの辺りに赤黒い塊と為ってぶら下がっている。

 〈今日はお前が晩飯だ〉
 
 そう言って、不気味な笑みを浮かべるデュラハン。

 そして、竜二はデュラハンに抱き抱えられて、グラグラと煮えたぎる鍋の方へと運ばれて行く。

 グツグツグツジューーーッ…

 鍋から吹き零れた熱湯が一瞬で気化する音が段々と耳元に近付いて来る。

 そして竜二の身体を、ムアーーーッとする蒸気が包み込み、その下でグラグラと煮立ち、弾けた激烈な熱を帯びた泡飛沫が竜二の背中を襲う。

 飛沫の掛かった肌には、一瞬にして水疱が出来、醜く腫れ上がる。