竜二は、今現在出せる限りの力を振り絞り、ハアハアと息を切らしながら逃げ惑う。

 「ひいーーーっ」
 「嫌だーーーーーっ……まだ死にたくないよーーーっ!!」

 ………シュッ……ドスッ……

 「ぐあーーーっ」
 〈ヌハハハハッ、逃げろ、逃げろ、地の果てまでも追ってやるぞ、ヌハハハハッ〉

 そう言ってデュラハンは竜二を追い回す。

 キリキリキリッ……ビン……

 ……ザスッ………

 「ウギヤーーーッ」

 デュラハンの放った矢が竜二の背中から肺を突き抜け、左胸から飛び出し、その矢を鮮血がつたい赤い滴を垂らす。

 「うぐっ……」

 熱を帯びた様な激烈な痛みが竜二の腕や足、背中から胸部に掛けて走り、竜二を苦しめる。