勤は、竜二を支えながら湿地帯を歩き、前方に身を隠せそうな策の様に朽木に囲まれた木陰を見付け、そこに竜二を座らせた。

 「ぐあぁーーーっ……」

 傷口付近を押さえ、苦痛に顔を歪ませ呻く竜二。

 どうにかしてやりたいがどうする事も出来ない現実。

 血流が途絶えた足先はどす黒く変色し、パンパンに腫れ上がっていて、とても見ていられない状態に為っている。

 「勤……俺はもう無理だ」
 「お前だけ逃げろ」
 「うぐっ……くぅっ……」

 竜二は呻き声を上げながらそう言って来た。

 「何言ってるんだよ………」
 「一緒に逃げようぜ!」
 「気持ちは有り難いけどこの足だぜ…………」
 「足手まといに為るだけだ」