竜二の右足、脛の辺りの肉はえぐれて無くなり、骨が見えている。

 そして、そこからは夥しい程の鮮血がドポドポと溢れ出している。

 「グアーーーッ」
 「竜二大丈夫か!」
 「いてーーっいてーーよっ」
 「助けてくれーーーっ……」

 …ビリビリビリッ………

 勤は、持っていたハンカチを裂いて竜二の右足を慌てて止血した。

 「竜二大丈夫か!」
 「歩けそうか!」
 「わかんねえよっ……」
 「肩貸してやるから掴まれ」

 そう言って勤は竜二を抱き起こし、支えながら歩き出した。

 「ゔっ……ゔぅ………」

 竜二は、時々う呻き声を上げながらも懸命に歩く。

 とにかく、一先ずは安全な場所を見付けなくてはいけない。