湿った地面が歩を進める度に グチャリと音を立て、気分を不快にさせる。

 しかも、巨大なムカデや薄気味悪い虫が這い回っていて、それを見ただけでも寒気がする。

 たまに、それらの虫が上から降って来て頭や身体にへばり付いて来る始末。

 「少し休まないか?」
 「そうだな、休もう」

 勤の声に賛成して竜二が後ろを振り向いた瞬間、竜二は悲鳴を上げた。

 「ひいーーーっ……」

 それに驚いた勤が何事かと思い急いで振り向くと、そこには悪鬼の様な顔をした野犬が1匹おり、獲物を狙うかの様にして身を構えていた。

 〈ガルルルルルッ……〉
 〈ヴガーーーッ〉

 そして、唸り声を上げて飛ぶ様な速さで襲い掛かって来た。