捕まればそこには地獄が待っている。

 烈しい緊張感と恐怖感が入り交じり、何とも言えない感覚が勤と竜二を襲ってくる。

 身体中から大量の汗が流れ出し、衣服を一瞬にして濡らす。

 パッカパッカパッカ………
 カシャンカシャン………

 馬の足音と鎧の鳴る音が僅か数M先を通過して行く。

 心の中で早く何処かへ行ってくれと叫びながら息を潜める。

 ……パッカパッカパッカパッカ……
 カシャンカシャンカシャン………

 そして、デュラハンは竜二と勤の僅か3M程先を通り去って行った。

 「助かった……」

 竜二と勤は、その場に崩れ込む様にして呟く。

 そして、暫くその場で気持ちを落ち着かせ再び歩み出した。