勤と竜二は、何処かに安全に隠れる事ができ、また睡眠が取れる様な場所はないか探していた。

 うっすらと霧が掛かり、地面や木々にわ無数のツタが這い、またじめじめとしていて不気味な雰囲気だ。

 虫や鳥等の鳴き声が更にその不気味さを増させ、辺りでガサガサと音がするとそれだけで心臓が破裂しそうな位にドキリとする。

 そして、森林の窪地を歩いている時何処か遠くの方から馬の鳴き声が聞こえて来た。

 〈ヒヒヒヒーーーン……〉
 〈…ヒヒヒーーン…ブルルルッ……〉

 どうやら、遠くにデュラハンが居る様だ。

 木陰等に隠れながら慎重に進み、辺りの様子を窺う。

 〈………ヒヒヒヒーーーン…〉
 〈…ヒヒヒーーーーン……〉

 馬の鳴き声は、段々とこちらへ近付いてくる。