新城勤と岸川竜二は、二人で森林にいた。

 岩陰や木陰に隠れながら、慎重に移動する。

 「居ないみたいだな」
 「そうだな、行くか」

 そう言って、川の方へ近付いて行く。

 「喉が渇いて堪らないよ」
 「おまけに、眠い……」
 「本当だな、かと言って寝れる様な状況じゃないしな」
 「まあ、ともかく水だ……」

 そう言って、川の水を呑む。

 その様子を、木陰から見詰める鋭い眼光があった。

 勤も竜二も気付かずに水を呑んでいる。

 鋭い眼光が二人を狙い動き出そうとした瞬間、勤と竜二は水を呑み終え川を離れて再び森林奥へと歩いて行った。

 その後を、ヒタヒタと付け回す影があるとも知らずに。