デュラハンが、徐々にこちらへ近付いて来る。

 そして、祥子が隠れている、岩のすぐ近くまで来た………。

 岩の割れ目から、生暖かい妖気の様な物が流れ込んで来て、祥子を包み込む。

 その生暖かい物が、祥子の首筋を舐める様につたう。

 祥子は、それに思わずビクリとしてしまい、脚を動かしてしまった。

 その瞬間、足元の石が……

 …カラーーン…………

 音を出して転がった……。

 ……ブルルルルーーーッ………

 馬の鳴き声がした。

 見付かってしまった……。

 祥子がそう思った時。

 タッタッタッタッタッタッ………

 何かの小動物が近くを走って行った。

 そしてデュラハンは、洞窟を出て行った。

 どうやら見付からずに済んだ様だ。