しおりの首が切り落とされ、肉片やベットリとした鮮血で真っ赤に染まって汚れた噴水前広場の柱がまた1本光を放ち、仲間の死を告げた頃、時効は12時を指していた……。

 しおりは、9時頃捕まり、3時間もの間引きずり回され、苦しみ、泣き叫び死んで行った。

 その眼を覆う様な光景を目の当たりにして、デュラハンが去り、惨殺されて首の無い肉切れと化したしおりの変わり果てた姿を見た者達は、捕まればそこに地獄が待ち受けている事を知り、心の底から震え上がった。

 いったい自分は、どんな殺され方をするのだろうか。

 そんな事ばかりが頭を過ぎって行く。

 その場に居た者達は皆、死への恐怖よりも捕まる事に対する恐怖の方が勝っていた。