光一が地に倒れ苦しんでいる頃デュラハンも苦しんでいた。

 えぐれた右脇腹を押さえ呻き声を上げる。

 〈ヌヴヴッ……〉

 〈此処では傷の回復が追い付かぬか〉

 〈一度魔堂に戻り傷を癒すか〉

 そしてデュラハンは空間の澱みを作り出し中へと消えて行く。

 うねうねとうねり澱む空間の中で瞑想をするデュラハン。

 傷から延びる筋肉の筋の動きが活発になり傷が段々と塞がって行く。

 失われた左腕も蜥蜴の尾の様に段々と形を形成して行く。

 〈今暫くだ、待っていろよ小僧〉

 そう言ってニマリと笑うデュラハン。