光一は、真也の眠るあの場所へ……デュラハンの潜んで居るかも知れないあの場所へとゆっくりと歩を進めて行く。

 デュラハンへの恐怖と真也への思いの葛藤のもと……。

 一歩一歩歩を進め、がむしゃらに逃げて来た森を迷いつつも漸くその場に着いた。

 デュラハンの姿は何処にも無く、ただ真也の亡きがらが転がっていた。

 月明かりに照らされたそれは鈍い光りを放ちまだ僅かに蒸気を上げていた。

 身は殆ど溶け落ち、ほぼ白骨化した真也の側に真也の使っていたそれがキラキラと月の光りを反射し煌めいている。