ゴーーーーン


     ゴーーーーン



ゴーーーン


 光一はその鐘の音を聴きながら今何時なのだろうか……。

 そう思いボーーッとしていた。

 そして、気が付くと脚は時計塔へと向かい動き出していた。

 どれ位歩いただろうか……。


 遂に光一の前にあの時計塔が見えて来た。

 石柱には自分を除く仲間達の無惨な姿が浮かび上がっている。

 でも、もう不思議と涙は出なかった。

 先程迄の悲しみも消えただそれを立ち尽くし見ていた。

 そして、ふと我に帰り時計塔を見上げる。