〈ヒヒヒヒーーーーン……〉

 大きく嘶く黒馬……。

 それと同時にバックリと開いた傷口がみるみる塞がって行き跡形も無く消えて行った。

 そして、デュラハンは再度黒馬の背に乗り黒馬の腹を蹴る。

 それを合図に黒馬は勢い良く走りだし、光一達を追い掛けて行く。

 10M……

 5M……

 そして、遂に光一達の直ぐ後ろへと迫った。

 直ぐ後ろから黒馬の鼻息とデュラハンの笑い声が聞こえて来る……。

 「くそっ……真也、二手に分かれよう」

 「解った……」

 そう言ってばらばらに走り出す真也と光一。