光一の振るった剣が黒馬の左前脚を捉え深く切り裂く。

 裂けた傷口からどす黒い血が勢い良く噴き出し光一にベチャベチャと掛かる。

 それと同時に、ジューーッと 音がして光一に烈しい熱を感じさせる。

 防具や衣服から湯気が立ち上り溶けた衣服の下から赤くなり火傷した肌がその姿を現す。

 どうやら黒馬の血液には硫酸に似た性質がある様だ……。

 気をつけなければ大変な事に成ってしまう。

 そして、黒馬は光一に切られた事により更にバランスを崩し、滑る様に抜かるんだ地面を走りデュラハンもろとも前方の樹木に烈しく激突した。