光一達は、森の中を宛も無くただひたすらに歩き続けて居た。

 負傷した真也は体力を著しく消耗し息を切らし肩で大きく息をしている。

 「真也……少し休もう」

 そう言って、光一が声を掛ける。

 「大丈夫だ…進もう……」

 真也は、そう言ってひたすらに進もうとしていたが、尚美にも説得されしばしの休息を取る事にした。

 杭の刺さった真也の太股は青黒く変色し壊死が始まっていた。

 「時間が無い……この脚が完全に駄目に成る前に行こう……」

 そう言って、二人の顔を交互に見詰める。

 そして、光一と尚美は真也の強い決意を知り、そっと頷いた。