「聞こえない…聞こえない」
 「何も聞こえない…………」
 「見てない…見てない……」
 「何も見ていない………」

 剛と美由紀は、そう言って身体のあちこちにへばり付いた淳の肉片を払いのけながら、ひたすら走り続けていた………。

 そして、生い茂る草の中へと身を隠した。

 その頃淳は、胸から下と片腕を失っていた。

 胸部ともう片方の腕は、木の枝を刺され、地面に固定されている。

 そして、デュラハンは淳の指を笑いながら一本一本関節事にじわじわと切断して行く。

 〈フハハハハハッ〉

 ……ブチン…ブチン…………

 「ギヤーーーーッ」
 「ひぃーーーーーーっ……」

 …ブチン…ゴリッ………

 〈クックックックッ……〉

 指からは、血が噴き出し、淳の顔が苦痛に歪む。