辺りに美由紀の悲鳴が響き渡り鮮血が宙を舞い、仁の顔と身体に紅い染みを付ける。

 そして、ダクダクと溢れる鮮血が美由紀の身体と地面を汚して行く。

 その横では切り落とされた腕が紅い液体と為り消滅し、骨だけがその姿を残す。

 仁は布で美由紀の腕を止血し美由紀を庇う様に剣を構える。

 「アルテミス、出て来い……相手に為ってやる」

 そう叫ぶ仁達の元に、アルテミスの笑い声が何処からともなく小さく聞こえて来る。

 〈アハハハハハハッ……〉

 そして再び矢が仁達を襲う。

 …ガイン………

 鈍い金属音と共に美紀の持つ盾に矢が突き刺さる。

 「クッ……」

 そして、皆がそれに気を取られた瞬間アルテミスが宙より切り掛かって来た。