「裏の窓から逃げよう」

 そう言って三人は、静に窓から抜け出して、隠れながら逃げ出した。

 しかし、暫くすると後ろから地を蹴る様な音が聞こえて来出し、振り向くとアルテミスの連れていた野犬の一匹が凄い勢いで迫って来ていた。

 「ど……どうする!?」

 光一がそう言うと、仁が言った。

 「犬一匹だ……やってやろうぜ光一……」
 「わ……解った」

 「掛かって来やがれ……」

 光一達は、そう言って三人で剣を構えた。

 そして、次の瞬間野犬が唸り声を上げて飛び掛かって来た。

 〈ガウーーッ〉

 慌ててかわし野犬に剣を振り下ろすが、ヒラリとかわされてしまう。

 そして、再び野犬が歯を剥き唸り声を上げて飛び掛かって来る。