勝が、アルテミスに殺害され無惨な死を遂げた頃、デュラハンもまた獲物を求めて徘徊していた。

 街や森林を行ったり来たりし現れては消え現れては消え神出鬼没に獲物を探し求める。

 12の刻を伝える鐘の鳴る中、デュラハンは遂に獲物を見つけにまりとほくそ笑んだ。

 煉瓦調の2階建ての屋敷の窓際に金茶色のツンツン頭が覗いている。

 まだこちらには気付いておらず、別の方向をキョロキョロと見ている。

 〈クックックッ……〉

 デュラハンは不気味に笑い、屋敷の方へ近付いて行く

 そして、壁をスーーッと通り抜け屋敷の中へ入って行った。

 そしてデュラハンは、宙を舞う様にフワリと2階へと上がって行く。