いちごの味

私は前髪で隠れて前が見えない。


「は~な~し~てー!」


阿獲羅がやっと離してくれた。


「んじゃ、ばいばい!!」


阿獲羅が手を振って走って行った。


私も前髪を直しながら
自転車に乗って、家に帰った。


「ふー、ただいまぁ。」


「おかえり、ご飯できてるよ。」


母に返事をして、2Fに上がった。


私はご飯を食べてから、
お風呂に入った。


「ふぅー。」


私は、さっき阿獲羅が私の頭から
手を離したとき、阿獲羅の顔が
赤くなっていたように見えた。


でもうつ向き気味だったから
良く分からない。


「気のせいだよね・・・。」


私は自分の心臓がドクン、ドクンと
いつもより少し早めに動いているのに
気づかなかった。