黒崎が悪いワケじゃないけど、すっかり涙腺が壊れてしまったあたしは、泣きながら黒崎を責めた。
「黒崎のバカ!ケンのこと忘れようとしてたのに~……。ふぇ~ん」
「おいおい……。俺のせいにされてもな……」
黒崎は呆れ顔で大きくため息をついた。
「うるさいっ!!」
あたしは、黒崎のタバコの箱をはたき落とした。
「まったく……。別にうるさいこと言わなかっただろうが」
やれやれといった感じで、タバコの箱を拾う黒崎。
黒崎のもう片方の手があたしの頭を撫でて、慰めようとする。
でも、……逆効果だよぅ……。
ケンもよく、泣き虫なあたしをこういう風になだめてくれたことが蘇り、
あたしはますます泣きたくなった。
