兎心の宝箱【短編集】


 飲んだ帰りに彼の家に押し掛けて泊まる。

 目が覚めると、彼が必ず朝食を用意してくれていた。

 ただそれだけの関係。

 抱かれた事は、一度も無い。

 他の男に抱かれた後でさえ、私は彼の家に泊まった。

 私の言動から気付いていたであろうに、彼は何も言わなかった。