兎心の宝箱【短編集】


「それにしても、夏美がそこまで光太君の事が好きだったなんて思わなかったなー」

 グイグイ引っ張りながら茶化してくる。

「私だって思わなかったわよ」

 冬子は、ニヤニヤと笑いながら続ける。

「私もねフラれてから少しショックだったんだけどね。夜に夏美のお母さんから電話が掛かってきて『夏美がずっとワンワン泣いてるんだけど何か学校であったの?』って聞かれてさー。叶わないなーって思っちゃった」