兎心の宝箱【短編集】

 
「でね、言ってやったの。夏美が笑うまで絶対許さないって。自分の事棚にあげてね」

 衣擦れの音がする。

 そして掛け布団に重みを感じる。

 冬子が布団の上から抱きしめてくれている。

「だから……もう大丈夫だよ。自分の感情隠さなくて。本当にごめんね夏美」

 泣いて、泣いて、泣いているのに涙は枯れる事なく流れつづける。