兎心の宝箱【短編集】


「でもね。夏美が私を泣かせたら一生許さない! って言ってくれたのを聞いてさ。凄く嬉しかった」

 ベッドからでて冬子を抱きしめたい衝動に駆られる。でも私は、動けない。

「結局私はね、夏美。光太君と一緒にいる夏美が好きで友達になって。夏美と一緒に笑う光太君が好きで付き合ったの。だから……。だから昨日フってやったわ」

 ごめんなさい。



 ごめんなさい。


 その言葉しか浮かばない。

 でも言葉は紡ぎだす事が出来ず、ただ嗚咽だけが流れだす。