兎心の宝箱【短編集】


 私はベッドに潜り込んだまま寝たふりを続けた。

「夏美起きてる? 私ね、気付いてたよ。二人がお互いの事好きだって事に」

 聞こえてきた冬子の声に。

 言葉に思わずベッドから飛び起きそうになるがどうにかこらえた。

 でも起きている事に気づかれたかも知れない。

「だってさ夏美も光太君も会えばお互いの事ばっかり聞いてくるんだもん。ホント嫌になっちゃうくらい。それに気付いた時には、結構冷めてたんだけど。私妬いちゃってさ。ムキになってたんだと思う」

 そんなに私は冬子に聞いていただろうか? あまり覚えていない。

 ただ申し訳なさしか浮かんでこない。