兎心の宝箱【短編集】


 こんなにも……こんなにも好きだった事に何故今まで気づかなかったのか。

 何故自分にまで隠してきたのか。

 コウが言ったのと同じ様に、私もコウじゃないと駄目だったのに。

 だからこそ許せなかった。

 自分の感情に気付けなかった自分自身が。

 何度か携帯の着信があったが無視をした。

 その日は、人生で初めて夜通し泣いた。

 腕の中の熊のぬいぐるみは、私を朝まで優しく抱いていてくれた。