兎心の宝箱【短編集】

 
 気が付いたら自分のベッドで、十二歳の誕生日にコウがくれた、熊のぬいぐるみを抱きしめていた。

「ちょっとは女らしい物でももてよな!」

 そう言って照れくさそうに渡してくれた。

 涙が止まらない。

 自分は、何て馬鹿なんだろう。

 失ってから、他の人に取られてから初めて気づくなんて。