兎心の宝箱【短編集】


 いつもなら声を上げて喜ぶが今は素直に喜べない。

 そうなんだ……。

 かろうじてそれだけ答えると席に着く。

 それを見てコウが紙コップにジュースを注いでくれる。

「ナツはさぁ、彼氏作んないの? 」

「あのさぁ、アンタ今日変だよ。そんな事今まで一度だって聞いた事ないくせにさ。冬子と上手くいってないの?」

「そういう訳じゃないんだけどね。なんか付き合うってよく分かんなくてさ」