兎心の宝箱【短編集】


「遅かったな? まあ上がれよ」

 促されるままにコウの部屋にあがる。

 部屋は、以前来たときと同じだった。

 乱雑な本棚も一緒に作ったプラモデルを飾っている机も。

 部屋の中心には、懐かしいテーブルが置いてある。

 昔は一緒にこのテーブルで宿題をしたものだ。

「あれ? 冬子は?」

 冬子がいない。

 トイレにでも行ってるのだろうか?

「あぁ、なんかせっかくだからケーキ買ってから来るってさ」