兎心の宝箱【短編集】


「じゃあ私着替えて後から行くから」

 校門を出た所で冬子が別れを告げる。

 必然的に家の方向が同じコウと並んで歩くことになった。

「こうやって一緒に帰るのも久しぶりだね」

 コウは、相変わらず歩くのが早い。

「ナツが俺の事避けてるからじゃないのか?」

 いきなり嫌な事を言ってくる。

「しようがないじゃない。アンタ彼女いるんだし、他の女と一緒に帰るなんておかしいでしょ」

 そう、しようがない。

 もう私達は、お互いの性別を無視できる程子供じゃないんだから。