兎心の宝箱【短編集】


 そして、洋館にいた5人とメイドのミリアは、警察の用意したホテルに泊まる事となった。

 但し、監視つきで。

「後ろからグサリ、か。鍵は、部屋に落ちていたんだな?」

 翌日やってきたガッデム警部は、部屋に入るなりそう呟いた。その呟きに近くにいた刑事が律儀に答える。

「えぇ、第一発見者のノーベルさんが入った時には、部屋の中央に落ちていたみたいです。他の方も部屋の外から目撃している様なので、間違いないと思われます」

 警察の調査は、滞りなく進んだ。

 ノーベルも監視の刑事を引き連れたまま、聞き込み調査を行った。

 そして三日後の朝、ノーベルの呼びかけで食堂に全員が集まったのだ。