兎心の宝箱【短編集】


 グレーバー卿は、椅子に座ったまま事切れていた。首の左側にナイフが刺さっている。

 そして椅子の下には、おびただしい量の血が水溜まりを作っていた。

 ノーベルは、写真家のアリスに現場写真を撮るように言うと、社長のロバートと冒険家のアーリーに、警察を呼びに行くように頼んだ。

 二人は、快く引き受け警察を連れてきた。その間絵描きのケイトは、泣き崩れて動けないミリアを介抱していた。

 やってきた警察は、すぐに応援を呼びグレーバー卿の洋館は、立入禁止となった。