兎心の宝箱【短編集】


「あの、どこに行くんですか?」

 校門を出た所で彼女が問い掛けて来る。教室の外にでも置いていたのか、いつの間にかカバンを下げている。

「わざわざ人に見せる必要はないしな。うちの道場まで来てもらう」

「大丈夫春奈ちゃんには、僕がついてるから、襲われそうになったらちゃんと助けてあげるからね」

「何でお前がいる」

 いつの間について来たのか神谷が横にいる。