兎心の宝箱【短編集】


「えぇ、違うなら何故貴方は笑っているの? 元と言っても、ついこの間まで恋人だった人がおかしくなった事について、話し合おうという時に」

「僕の事を悪者にしようと言う君が滑稽でね」

 彼は、手を広げて気取って見せる。

 部屋に入ってから優子は、酷く違和感を感じていた。

 なんなのだ一体。

 彼は何故こんなに笑っているのだ?

「楽しいから笑っているんだよ」

 何故楽しいのだ?

 酷く喉が乾くエアコンを止めて欲しい。

「楽しいって何が?」

 暑さに頭がボーっとしてくる。何かがおかしいのにそれが分からない。

 優子は、精一杯の気力を使って問い掛ける。