兎心の宝箱【短編集】


「えっ?! 美紀はあの日家に居なかったんですか?」

 二回目に電話が掛かってきた時、彼女は確か借りてきた映画が怖かったと言っていた。

 だから優子は、てっきり家にいたものだと思っていた。

「えぇ。あの日は確か昼前にデートだと言ってでて行ったわ。帰ってきたのは、10時過ぎ。あの子最近遅くなる事が多かったから気にしなかったの。なのに次の日からあの調子で……。初めは彼氏か誰かに振られたのかもって思ったけどあまりに様子がおかしくて」

 嫌な予感がよぎる。

 美紀がデートする相手は、前畑意外考えられない。
 だが彼はあの日会っていたとは言わなかった。

 嘘をついたのか? それとも本当に会っていなかったのか?

 優子は、心当たりがある事を話すと確認を取って連絡する事を約束し、別れを告げた。