最初のうちはしつこく聞いてきてたが、最近では聞いてくる事がなくなった。
まあそれが縁で高校三年になっても友達でいるのだが。
「北条さん、冗談じゃないですか……。はははっ。ところで初めて戦う所見たけど、お前格闘家になった方がいいんじゃないか? 格闘技マニアの俺から見ても、春奈ちゃんをあれだけ見事にいなせる奴なんかそういないと思うぞ」
こいつ本当に言ってないだろうな? 怪しいが追求するだけ無駄だろう。
「なんか緊張して視野が狭くなってたからな。親父がたまに使う視線外しの技を試したら、たまたま上手くいっただけだ。次は上手くいかないよ」
神谷がニヤリと笑う。
「ほうほう流石、一子相伝だけあってそんな細かな技まで伝わっていますか」
「あぁ、そういえば一子相伝の拷問術も伝わってるが試してみるか?」
その日はそのまま冷や汗を流した神谷と別れた。



