兎心の宝箱【短編集】


もう、時間がない。

私は、涙を拭うと母から離れ、台所にある包丁を手にとる。

「何手伝ってくれるの? ってちょっと! 待ちなさい!」

包丁を握りしめて、玄関に向かう。

思い過ごしなら問題ない。

ただの悪夢なら……。