兎心の宝箱【短編集】


「一体どうしたのよ? 何かあったの?」

涙がどんどん溢れてくる。

私は、しばらくそのままの状態で母に抱かれていた。

「もう、泣いてばかりじゃわからないでしょ。ほら、顔を上げて」

母の言葉に顔を上げると、肩越しに時計が目に入った。

時刻は7時50分を指している。