兎心の宝箱【短編集】


「なぁに朝から騒々しいわね」

奥の台所から、母の声が聞こえる。

台所に向かう途中に居間を覗くと、父がイビキをかいて寝ている。 

そして、台所には母がいた。

「珍しいわね、日曜はいつも遅くまで寝てるのに」

いつもと変わらない言葉。

私は、自然と母に抱きついて泣いていた。