兎心の宝箱【短編集】


「アンタなんか殺してやる!」

カッターナイフを握りしめて、私は立ち上がる。

「お前なんで……カッターなんか?」

男は少しだけひるんだが、カッターナイフしか持たない女が、包丁を持つ男にかなう筈もなく。



数瞬後には、私は母と同じように腹部を刺されていた。

足の先から力が抜ける。