兎心の宝箱【短編集】


その隙間から伸びる手が、母の腹部に吸い込まれる。

「いやぁぁぁ!」



……間に合わなかった。

よろめきながら、こちらに母が倒れてくる。



「逃げて……」

私が抱き止めると、赤く染まったお腹をおさえて母が言った。