俺は、左のガードを上げる事で少女の攻撃だけではなく視線を呼び込む。

 そして彼女の視線が右に動くのに合わせて逆へ動く。

 彼女のミドルキックが視線のあった場所へ辿り着く頃には、俺は彼女の後ろにいた。

 そして膝裏に奥義ヒザカックンを繰り出す。

「とぉ!」

 少女は、突然のヒザカックンに対応出来ずに床に膝を着いた。

 その間に俺は、カバンを取ると教室の出口にダッシュする。

「悪いけどもう帰るからさ、今度理由だけでも教えてくれ」

 そう言い残すと彼女がこちらを振り向く前に教室をでた。